人気スターが最新作『桜のような僕の恋人』について語る
*物語について
人生で一番ラッキーな瞬間でした。雑誌のインタビューでもこの小説を紹介したり、色々なところでこの小説をおすすめしていました。
主人公の晴人を演じられたらいいなと、少しだけ思っていましたが、まさか現実になるとは思ってもみませんでした。
カメラマンの夢をあきらめ、心を閉ざしてしまった青年・朝倉晴人は、美容師として働く、明るくて美しい女性・美咲に恋をします。晴人は、自分の気持ちを彼女に伝えますが、自分はプロのカメラマンだと嘘をついてしまいます。初めてのデートの日に、実はカメラマンではないと真実を打ち明けるのですが、美咲は嘘をついたことではなく、「あなたがカメラマンでなかったらデートしないと思ったの?職業で人を判断するような人間に見えていたの?」という点で、晴人は美咲に怒られるんです。
それから晴人は、奮起してカメラマンを目指していく、と同時に美咲との恋愛を育んでいくという物語です。
しかし、美咲は難病を発症してしまい、それを二人は果たしてどうやって乗り越えていくのか、どのような結末にたどり着くのか、、
それがこの「桜のような僕の恋人」の物語です。
※監督の演出について
こんな台本は初めて見たのですが、たくさんの余白があり、全部真っ白なページもあるんです。台本の表紙を見てみると、「桜のような僕の恋人・晴人」と書かれているんです。ヒロインの穂香さんの台本を見てみると、「桜のような僕の恋人・美咲」と書いてありました。
これは監督の演出のひとつで、それぞれ自分のセリフしかなく、晴人の台本には美咲の台詞が書かれていないんです。
この台本は、僕の芝居に大きな影響を与えたと思います。
最初は不安でしたが、他の情報量が入らないことで、自分をちゃんと見つめることができたし、晴人の時間を生きることができました。
※印象に残っているシーン
すごく綺麗で印象に残っているのは、晴人と美咲が桜並木の下を歩いて、晴人が美咲から説教されるシーンです。この映画の象徴的なワンシーンであり、桜の絵画的な美しさを誇る場面になっていると思います。
※役作りについて
役に入り込みすぎて、初めて撮影中に気絶しかけました。深川監督とスタッフの方に腕を支えてもらって、セットからスタジオの外に出る、というくらいの状態になりました。その時は、自分の精神をすべて委ねていました。完全に晴人の役に入り込んでいたので、何を見ても泣いてしまうこともありました。それは、演じる上ではすごく良いことなのですが、晴人になりきっていた自分の心を考えると、とてもつらい時間でしたし、あの期間は自分の役者人生の中でも最も忘れられない期間ですね。
※世界190ヶ国以上の国と地域で配信されることについて
僕自身は日本人として、日本の映画やドラマを世界中に届けたいという気持ちが強くありますが、まずはこの作品の本質を自分がしっかり理解して、それを皆さんに伝えることが大切だと思っています。
この『桜のような僕の恋人』という映画が、世界中に配信されるというこの機会は、自分にとって大きなターニングポイントになると思っています。これまで志してきたものがこの作品と一緒に世界に羽ばたけるかもしれない、と思うとワクワクしますね。
※映画をこれからみる観客にメッセージ
悲しいストーリーではありますが、見終わった後は、一瞬一瞬の時間がよりみなさんにとって、大切に思えるのではないかと思っています。
今自分が愛している人、これからもしかしたら出会うかもしれない未来で愛する人、たくさんの方を愛で包んであげたいと思えるような、前向きな気持ちになれる作品です。
日本が誇る美しい桜の景色とともに描かれる心揺さぶるラブストーリーを、ぜひお楽しみください。